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2007/07/22 09:58
朝、何かしらんけど夢で見た話を書いて見た。
夢の中までボーイズラブ化してる私は気味が悪い。
夢だから曖昧な上に、途中で話が終わってます。
かなり続きそうだから、この夢の続きとか見たときにちょこちょこ書きます。
夢だからもしかしたら、変な所から話が始まるかも知れないから、色々ネタとして書き綴って行こうと思います。
ちょっとこの話は15禁くらいの要素が入っております。
なので15歳以下は見ないで下されば幸いです。
題名が思いつきません。
こんな話に題名を付けられる方が居たら天才とでも言っていいでしょうw
少なくとも自分にはさっぱりポンと思いつきません。

それでは、次の行から始まります。


-------------------------*-------------------------------




よく晴れたある日、事件は起こった。

とは言っても、車衝突事故や殺人事件などではましてなく、それは周りから見れば途轍も無く馬鹿らしい事件だった様に思う。

だが俺にとっては人生をやり直せるならやり直したいと思うほどの、
一生に1度あるかないか、いやむしろ大抵の人は迎えないだろうと思われる瞬間でもあった。

奴との出会いは生涯忘れる事の出来ない、衝撃的な出会いだったように思う。

なぜなら奴との出会い事態が、俺を悪夢に誘い込んだ、とてつもなく馬鹿らしい事件そのものだったからだ。



その日は誰に聞いてもよく晴れていて気持ちの良い朝だ、と答えそうな、絶好の洗濯日和だった。

平日だったが、たまたまずる休みした幼稚園のガキが、たまたま仕事の休みが取れた父と、
そしてもともと専業主婦だった妻とで何処かそうだな、夏だから海なんかはどうだろうか、
に遊びに行けばいいと思うほどの、それほどよく晴れた日だった。

カンカンに照る太陽は、相変わらず人間に紫外線と言う悪影響を与えつつ、
あたり一面を明るく照らしていた。

正直夏は吹き出る汗がべた付いて嫌な上、ジリジリと肌を焼く太陽が憎くて憎くて仕方が無い。

冬になるのが待ち遠しいくらいだ。

鞄の中で幾度と無く鳴り響く携帯のバイブ音は、現在の人気バンド”Feder”の”偽りの世界”と言う曲と
共に流れていた。

"Feder"とはどう言う意味かは分からないが、確かテレビでは「ドイツ語」だとか言っていた気がするな。

素直にその意味を言うだろうと思ったが、回りくどい事に"Feder"のボーカルが「この意味が知りたかったら、
独和辞書で調べてください!」とか言い出しやがった。

知りたかったのは山々だが、調べて自分になんの得が有るのかと考え直してみれば、さして得な事は無かったため
止めることにしたのだ。

この着ウタは電話に設定した曲だと分かっていたのだが、あえて厄介ごとには首を突っ込みたくない俺には、どうしてもこの電話を取りたくない
理由があった。

なぜなら相手が、会社が一緒だと言うだけの、何故か俺に纏わりついてひと時も離れ様としない危ない奴だからだ。

時には俺と目が合い、すかさずに満面の笑みを披露してくれたり、いつの間にか無くなったコーヒーを、
次に俺が飲むまでの間に絶妙のタイミングで入れたりしてくれる、便利だが気持ち悪い奴だ。

何故ここまでタイミングがいいのかと観察しているうちに分かった事なのだが、どうやらこいつは俺と同じ
タイミングでコーヒーを飲み、俺と同じタイミングでマグカップを空にしているらしい。

気持ち悪い物を見るように見ていたのがバレたのか、そいつは首を20度ほど傾けて「なんですか?」と言わんばかりに
こっちを見た。

その動作につられてとっさに首を同じように20度ほど傾けた俺は、どうやらこいつのペースに巻き込まれつつ
あるようだ。

巻き込まれては駄目だと思うのだが、そう何ヶ月もこいつに付きまとわれるとそれは考えても無駄になるだけに
等しいらしい。

苦笑いになりながら「なんでもない」と伝えれば、「そうですか」とにこやかに答えて、又パソコンに向かって
何かを打ち始める。

その姿を眺めながら、社長のはげ頭の向こうに見える真っ青な空を見据えて、小さなため息を一つこぼした。

雲ひとつ無い、真っ青な空が一面に広がっていた。

しばらくデスクにひじを突いた状態で空を眺めて居た事に気がついた時にはすでに15分が経過していた。

すぐさま15分ロスした仕事を追いつかせるために、パソコンに向かう。

何もウィンドウを出していなかった筈の液晶のまん中に、赤いポストがチラチラと点滅しているのが見える。

どうやら社員からメールが届いたようだ。

ポストをダブルクリックすると、5件もの通知があった。

それらは全て、あいつから送られてきていて、どうやら3分おきに一通と言う感じで「サボってちゃ怒られますよ?」
「メール見てくれてますか?ちゃんと仕事をしましょう☆」「窓の外に何か面白いものでもあるんでしょうかね?」「それとも
社長の頭見てます?」「・・・明日暇ですか?だったら一緒に遊びに行きましょう!休日ですもんね!」と言うメールが
送られていた。

女の子からのメールは何分単位で着ても、何通着ても飽きもしないし嬉しいのだが、野郎からのメールと来たら此れは
もう、うざいの範囲に達するのである。

さらに新しいメールを打とうとしているあいつに、「俺はサボってないし、仕事はこれからするし、窓の外には面白いものは
まったくと言っていいほど何もないし、社長の頭なんか見ても得にならんし、明日は暇じゃない。そしてお前うざい。」
と、うざいと言っておきながらも全てのメールに一文で答えたメールを送ってやった。

そのメールを見たのか、そいつは苦笑しながらこちらを見てため息をつく。

なんだ、このメールで満足できなかったか?

それとも、明日の誘いを断ったから落ち込んでるのか?

まぁそんな事はどうでもいい、さすがに仕事をしなければ、本当に社長に殴られかねないからな。

因みにコイツの名前は最近分かったのだが、どうやら「桜川羽飛」と言うそうだ。

覚えにくい上に読みづらい。

それに比べて俺の名前は何処にでもある単純な名前だ。

「黒崎 裕」

こっちは親の趣味で、「ゆう」と言う響きが好きだから、と言う理由だけで付けられた可愛そうな名前だ。

子供の時はそれで腹を立てていた気もするが、今ではあきらめの良い大人になってしまったようで、
そんな事は決まってしまったのだから仕方が無いと思うようになっていた。

さて、話を戻そうと思う。

携帯電話を留守電設定にしながらも、早く家の涼しいクーラーに当たりたいと言う願望により、ツカツカと
足早になる。

意識が朦朧とした中、何処からか駆けてくる大きな足音にさえ気づかない自分が居た事が、後で
こんなにも後悔することになるとは思っても見なかったのだ。

足音は徐々に大きくなり、確実に俺に近づいていた。

きっとその時、俺の周りに居た人も足音には気づいていたが、前後左右を見渡しても、きっと何も居なかったに違いない。

なぜならそいつは、コンクリートの塀の上をずっと何者かから逃げるように走っていたんだからな。

通りで前後左右を見渡しても、斜め上を見なきゃ誰も居ないはずだ。

そう、その時俺は不意にも上を向いてしまったんだ。

目に映った光景には、今まさに中学生くらいの男の子が塀の上を不幸にも歩いていた猫にぶつかりそうになり、必死で
よけようと上体を逸らした姿があった。

不意に上を向いた俺を、今すぐに過去へ戻って殴ってやりたいくらいだ。

少年は俺を目掛けて見事に綺麗に落ちる。

それを受け止めるはずだった俺は、少年のわき腹をつかんでちゃんと着地させる筈ではあった。

不幸にもその手がその位置から滑り、少年を抱きかかえるような形になったのだ。

一体何が起こったかは知らんが、目の前が一瞬だけ暗くなり、唇に何かやわらかいものが触れたのを感じた。

ゆっくりと目を開けるとそこには、少し釣り目の少年が目を丸くして、俺の瞳全体に映っていた。

そこでやっと自分が置かれた状況を理解していくのが、冷たくなっていく体温から分かった。

口に触れているものは、不幸にも猫の口でもなく、少年そのものの唇だったのだ。

目の前の少年も驚いているのか意識が飛んでいるのか知らないが、俺の上から中々どいてくれそうにも無い。

俺は少年の頭を抱え、自分の唇から少年の唇をそっと離す。

「おい、早くどいてくれないか。」

眉を吊り上げ、虫をかんだような表情で気の抜けた声を出した。

少年はやっと意識を取り戻したのか、徐々に顔を赤らめて、その場から素早くどく。

「うわぁぁっぁ・・・!お、男とキ、キスっ!?ファーストキスも未だだったのにっ!」

見た目はそこそこモテそうな顔つきの少年は、以外にもファーストキスは始めてだったらしい。

顔を赤らめ、目からは涙を流し、髪を掻き毟る姿は、それはそれで可愛いな、とさえ思えてしまった。

それに比べ、アンマリ動揺してないように見える俺は、この時心の中ではかなり混乱していたのだ。

人より少し感情表現が苦手なだけで、本当は誰よりも臆病で、デリケートな心を持っていたりなんかしちゃうのだ。

と言うよりも、自分の感情を表に出して、からかわれるのが嫌だから隠していると言う方が正しいかもしれないな。

物心ついた時にはもう、自分で自分の感情を抑える様な子供になっていたらしい。

そんなこんなで、周りから冷静に見られてしまう俺は、今のこの状況で周りの人からどう見られているかなんて、
大体は分かってしまうのだ。

後ろの方で、「ホモ」やらなにやら、俺には無縁と思いたい言葉が次々と発せられる中、俺は穴があったら入りたい
症候群に見舞われたのは言うまでも無いだろう。

この世の中は、腐女子が増殖し、ホモと言う言葉は当たり前になりつつある救いようの無い世界になってしまいつつ
あるのだと、最近は思うようになった。

もう誰が腐女子を否定しようとも、手遅れな世界へとなってしまったようだ。

だがしかし、俺はそんな趣味は持ち合わせていないからな、そこは重要だと言う事を肝に銘じておいて欲しい。

この騒ぎを静めるために、座り込んでいた少年に怪我は無いかと聞いてみる。

「ないっ・・・畜生・・・・っ!」

「それは良かった。いいか、これはあくまで事故だ。
今日あったことは全て無かった事にするんだ。
お互い忘れれば、お前のファーストキスも奪われた事にはならないだろ?
それと、俺を恨んでもらっては困るからな。
先に落ちてきたのはそっちだ。」

俺は袖で口を拭きながら、只管頭を掻き毟る少年に言葉を吐いた。

この言葉に少年は、頭を掻き毟るのを止め、ポカーンと口を開けて、涙も吹かずにこちらを見ていた。

今度は周りの見物人を巻くために俺はゆっくりと立ち上がる。

「皆さんもいいですね。
ここであった事は今からすっぱりと忘れてください。
今度ホモ、それに纏わる単語を俺とこいつの聞こえる範囲で言えば、殴りかかるかも知れませんから、気をつけてくださいね。
それと、俺はホモだなんてそんな趣味はまったく無いので。
それより、道を塞いでいる方、通行人の邪魔になります。
そして俺達も迷惑です。
今すぐ自分の目的を思い出してそれを実行してくれる事を願いますね。」

人ごみの中にも、会社や学校のクラブ活動に行く途中の生徒も居たのか、すぐに取り囲んでいた人は半数に減った。

その他の人は、俺の言葉にしばらくいちゃもんを付けたり、ニヤニヤしながらこっちを見て隣に居る人の耳に手を翳して
何かを言ったりしていた。

その何か、と言うのは大体分かったが、俺は「聞こえる範囲で言えば、殴りかかる」と発言したのだ。

その見物人はアウトラインに入ってないので、殴りかかる権利は無いに等しい。

しばらく俺はそれを眺めていたが、どうやらもう次の話題に移った人々は、いっせいに何処かに行ってしまった。

やがて、俺とそいつが二人になったのを確認すると、俺は自分の向かう目的を思い出し、少年をつかんだ時に話してしまった鞄をとり
いそいそと歩き出した。

「じゃあな。」

すれ違いざまに適当な挨拶を済ませ、最後にそいつの顔をマジマジと見つめてみる。

どこかで見た顔だな、と思いつつも、結局は思い出せずに俺は少年の目の前から完全に姿を消した。

角を曲がろうとした最後の足で振り返ったが、少年は未だアスファルトに張り付くようにずっとそこに座り込んでいた。

とまぁ、此れがそいつと俺の初めての出会いだったわけだが、少しは俺が後悔して病まない理由を理解していただけただろうか。

家に帰ると俺をどん底に突き落とすかごとく、又悪夢が待ち構えていた。

なんと俺の家の扉の前には、携帯を耳に当て、腰に手を当てた桜川が立っていたのだ。

桜川に家を教えた覚えは無い筈だが、きっと社員の誰かに聞いたのだろう。

俺の住所を桜川に教えた社員を一日中奢り券を作って奢らせようと言う計画が頭に浮かんで消える。

「桜川、お前人の家の前で何をやってるんだ・・・?」

携帯を耳に当てて応答を待っていた桜川は驚いて振り返る。

「・・・って、うわっ!
なんだ、裕さんじゃないですか、びっくりしましたよ。
何してるって、分かりませんか?
昨日遊びに行きましょうって約束したじゃないですか。」

「それについては昨日メールで断ったはずだが。
平日くらいはゆっくり家で過ごしたい。
お前も俺と同じ職場で働いているんだから、分かるだろ?」

ため息混じりに吐き捨てると、桜川は俺の目の前で指を一本立てて、ちっちっちと効果音を出しつつ、3回指を左右に振った。

気持ち悪いにも程がある。

「今日は休日ですが、貴方は外から帰ってきましたね?
家でゆっくり過ごしたいのならば、外に出る必要は無い筈ですよ。
それにこんな朝からこんなに物を買い込んで居ては、貴方は買い物好きの様に思われても仕方が無いですね。
平日には、会社でこんなものを買っている時間は無いですし、買うとしたらたまにある休日だけ、って所でしょうか?
よって裕さんは、休みを有効に使いたくて、家でおちおち寝てる暇なんかあったら外に出た方がマシだと思うような
人なのではないでしょうか?」

はっきりすらすらと詰まることなく言った桜川は勝ち誇ったように腰に手を当てているが、全然違う事を言われてしまった
俺はどういう反応をすればいいかと、正直戸惑っていた。

確かに外から帰ってきたのは事実だが、たまたま生活用品で居るものが出来たから行っただけで、休みを有意義に過ごそう
などと言う考えはは1ミクロンも無かった。

クーラーの効いた部屋で、ゆったりまったりテレビを見たりパソコンをしたりして遊ぶ事が当たり前な訳だから、もちろん家で
おちおち寝てる暇はいくらでもあるし、外に出た方がマシだとも思わない。

それに、夏だしな。

大抵の人は夏は暑いし外に出ないで、クーラーに当たって過ごそうと考えるのではないだろうか。

だからと言って、海は好きだがな。

なんと答えるべきか考えていると、桜川が行き成り俺の後ろに回り、両肩に手を添えて俺を促す。

「ま、なにはともあれ、せっかく着替えているんですから、一日くらい遊びに付き合っていただいてもいいじゃないですか。
ほら、行きますよ。」

何を言っても聞きそうに無かったから、適当に遊んで帰ろうと心を鬼にする。

この考えが甘かったようだ。

俺はこの日、桜川に散々色んな店舗に足を運ばされた上、ゲームセンターで俺の苦手な音ゲーやユーフォーキャッチャー、
その他もろもろなどをやらされた挙句、しまいには居酒屋で周りのオヤジに囲まれ、イッキコールをさせられた後、桜川に
背負われて家に帰ってきたらしかった。

と言う事実を、翌朝俺の家に勝手に上がりこんで、しかも泊まって居た桜川から教えてもらったのだが。

因みにベロベロに酔った俺でも、全ての記憶が飛んでいるわけではなかった。

俺たちの行った居酒屋は、結構上品な高そうな店だったのだが、財布を気にせずかなりの量を食していた俺の代金も、
桜川は「会計は一緒でお願いします」と何の躊躇いもなく言い、自分の財布から万札を5枚くらいだったと思う、それを
抜き出して払ってくれていたのだ。

其の事は俺が起きた後も、桜川は一切その話に触れなかった。

居酒屋の件には及ばないが、俺の家に勝手に寝泊りした事は許してやろうと思い、何故泊まったのかは聞かない事に
してやる。

ついでに、朝食、昼食、夕食と、俺の手料理を振舞ってやろう。

「オイ、桜川。
お前、夜もこの家に居るか?」

居ない奴の為に無駄に作りすぎるのは食べきれないと判断し、俺はさり気に桜川に聞いた。

「・・・居てもいいなら居ますが。
邪魔ですか?」

「それじゃぁ、居ろ。
お前に俺の手料理を振舞ってやる。
朝だけじゃないぞ。
昼も夜もだ。」

その瞬間、桜川の目が輝いたように思う。

こっちに今にも花が飛んできそうな勢いで、「本当ですか?是非!」などと嬉しそうに
小さくガッツボーズを決めている。

そんなに嬉しいかね、野郎の料理が。

俺なら、可愛いお姉さんが一日ご奉仕してくれる方がよっぽど嬉しいが。

「桜川は何が好きなんだ?
トーストか?それともご飯派か・・・?
なんならリゾットで・・・もっ!?」

後ろから何かが俺を覆った様な気がした。

いや、気がしたんじゃない。

実際に後ろから桜川が、俺を束縛するかのごとく、強い力で抱きついていたのだ。

桜川の吐息が耳にかかって、気持ち悪さが増した。

昨日の出来事は忘れるといったが、そう簡単には忘れられるはずも無い。

後ろから、さっきの答えらしいが、聞いている意味がまったく違うような回答が発せられた。

「・・・俺は、ずっと裕さんの事が好きでしたよ?」

「俺はそんな趣味まったくと言ってないのだが。」

「では俺が貴方の趣味を増やしてあげましょう。
俺無しでは生きていけないような頭にしてあげますよ。」

そう言って、俺の耳を口に含む。

ネト付いた唾液が、ザラ付いた桜川の舌が、俺の耳を舐めては少し噛む動作を繰り返す。

俺の体の体温が、一気に冷めて行くのを感じざるを得なかった。

「迷惑だ、止めろ、離れろ、気持ち悪い。」

後ろに手を逸らし、桜川の胸に力強く拳を当てて、抵抗する。

だが、俺より桜川の方が力が強いらしい。

ビクともしない桜川は、「離れて欲しいならこんなに弱くじゃ無くて、思いっきり突き飛ばせばいいじゃないですか。」と

表情を見なくとも分かる声で言った。

もっと抵抗しようとして体を捻るのだが、桜川は俺のTシャツの中に手を入れてきやがったのだ。

ゆっくりと全てを確かめる様に、俺の腹を弄る。

この動きに、気持ち悪さを感じながらも、何故か俺はそれを拒めないで居た。

小人か何かが、100単位の数で俺の腹の中をグルグルと細長い棒でかき回しているような感じだ。

足がガタガタ振るえ、立ってられなくなる。

膝を床に落とし、それを後に後悔する事になる。

次第に其の手が上に上がっていくような感じがして、俺は桜川の手をのけようとする。

それも無駄な行動に終わり、桜川は自分の上体を曲げ、俺にもたれ掛かるように体重をかける。

「うわっ!?」

その衝動で、俺は床に腕を付いて、完全に無防備な姿になる。

Tシャツの中で止められていた手は、又上に這いだした。

ついに求めていた物に指先が当たり、今度はそれをゆっくりと指先で弄られる。

「・・・っ!あっ!」


「ここ、感じますか?」

背中にキスを落としながら、桜川は弄ぶ様に言う。

「う・・るさい!
男あい・・・てにっ、感じる・・訳な・・・っ!
はぁっ!」

必死に首を振って否定するが、桜川は指を止める事は無かった。

むしろ、指はだんだん激しさを増し、何だか気持ちよくなってきた所で、桜川自身が指を止める。

気持ちよさが無くなってしまった今、何か物足りなさを感じてしまい、俺は不覚にも、「・・・もっと」と続行を
許可する言葉を吐いてしまっていた。

だが桜川は、おれの上から退き、俺を解放した。

そして俺の顔を桜川の方へと向かせ、キスをしたかと思うと、口の中になにやら舌を入れてきた。

俺はもう、意識が朦朧とし、自分が男とやる趣味がないと言う考えすらも本当に持っていたのかが曖昧になっていた。

むしろ、自分の頭の中は、桜川でいっぱいになっている様な錯覚さえ覚えるくらいだ。

空気を吸い込む間も与えられず、何度も何度も舌を絡められる。

口から漏れる唾液が、ピチャピチャと鳴り響く舌の音は、妙にいやらしく、生々しい。

既に俺は、桜川にされるがままとなっていた。

長かったディープキスは、突然に俺の口から感覚を無くす。

「やっぱり貴方は可愛いですね。
めちゃくちゃにしたくなる。
ほら・・・ここがもうこんなに・・・」

いつもよりワントーン低い声で耳元で囁かれ、勃ったそれを指先で撫でられる。

其の行動に、俺はびくっと体を振るわせる。

「あっ・・んっ!
そこは・・・止め・・ろ!」

「・・・ってのは冗談です!
本気にしました?
止めましょう、今のは忘れてください。
そうですねぇ~、俺は朝食はご飯派でしょうか?
ですが、裕さんの作ってくれるものなら何でも食べられますよ。」

・・・ここまでやっておいて、何が冗談なんだ。

凄く真剣な顔で俺を抱いていたのを俺が見ていたんだからな。

適度に気持ち悪くさせたりしといて、途中で止めると言うのは、反則なんじゃなかろうか。

後で最後までやっときゃ良かったと後悔されても、俺は知らないからな。

段々とちゃんとした意思が戻ってきたようだ。

やっぱり自分は男になど興味は無い。

うん。

「そうか、ご飯系だな。
適当にそこら辺に座ってテレビでも見るなり、パソコンいじるなり、何でもしてろ。」

余りにもあっさりした反応に、桜川は驚きを隠せないようだ。

不思議なものを見るような目で、俺の方を見ていた。

「何なんだ?俺の顔に何か付いてるのか?」

「なんでもないです、すみません。
それにしても、勝手にパソコンを開いちゃったりしても大丈夫なんでしょうか?
変な画像とか、探ってたら出てきません?」

苦笑いのような顔をこっちに向けて変な問いかけをしてくる。

だが桜川なりに色々と気遣ってくれているのだろう。

しかしな、俺がそっち系の画像とか動画をわざわざ取ってる様にお前は見えるのか?

此れでも俺は健全な方だと思うんだがな。

「どんだけ探っても出てきやしないよ。
だから気にせず勝手に使え。」

さっきまでは苦笑いだった癖に、今度は安心した半面で、残念そうに「そうですか」とパソコンの前へ
歩み寄って行った。

何なんだこいつは。

急に俺の前に現れたと思ったら懐いて、しかも俺の家であんな事までして、最後は「冗談です」と言う言葉で
片付けるだと?

馬鹿にも程がある。

大体俺の何処に、そんな好きになれる要素がある?

そこを問いたいくらいだ。

ま、そんな事はどうでもいい。

今は存分に上手いリゾットを作る事だけを考えよう。

何故リゾットに決まったのかって?

俺が食べたいからだ。

「・・・作るか。」

ため息を付きながらも、冷蔵庫から取り出した野菜をトントンとリズムよく切り始めた。






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